――魔界。


レオが目を覚ますと、見知らぬ寝室にいた。


中世ヨーロッパを彷彿(ほうふつ)とさせるゴシック基調の部屋造りだった。


全ての家具や小物が年代物の高級そうなアンティークだった。


レオは、黒木で造られ木目(もくめ)の風合いが美しく、大人二人がゆうに横になれそうな大きなベッドの中にいた。


ひどく喉が渇いていた。起き上がると、くらっとして視界がぶれた。


「ここは……」


レオが額を手で押さえ、記憶を手繰ろうとすると細やかな装飾が施されているドアが開いた。


思わずレオが身構えると、ドアから現れたのはバド・ツェリスと名乗った不思議な執事と、黒い毛並みが美しく人懐こそうな瞳をした一匹の犬だった。