「知るかよ、そんなの。俺だけが想ってればいいって思うだろ。
今さら向こうも同じだとか聞いても、そんなの…」


必死で涙をこらえているのがわかったから、それ以上は何も追及しなかった。

「…作ったから、ちゃんと食っとけよ」


そう言い残して、ドアが閉まる音が耳に届く。

独りになった途端どうしようもなく安心して、弱気な自分が顔を出しそうになった。


2人分の傷は、予想以上に重かった。

柊が言っていた通りだとして、私はみんなの想いを背負うことに耐えられるだろうか。


まだよもぎちゃんのことも、淀んだ空のことも知らなくちゃいけないのに。