それはたった一瞬の、



「臓器が、機械だってこと…?」

重力に耐えきれなくてもう一度枕に頭を沈めると、釧奈は自嘲的に口元を歪ませた。

さっきも感じた違和感が襲いかかって来る。


「違うよ、もうひとつの秘密のこと」

「何、それ…。釧奈は、知ってるの?」

幼い容姿の中に、時折見せる大人びた表情。

何が彼女にそうさせるのか、私はまだ知らない。


熱のせいで荒い呼吸を繰り返す私とは裏腹に、釧奈は驚くほど落ち着いていた。

「藍火ってば、嘘が下手だね。あたしにも教えてくれないから訊いてるのに」