それはたった一瞬の、



彼が、死の香りをまとっているからだろうか。


「体内にな、カウンターがあるんだ。俺が死ぬまでの日数が少しずつ、少しずつ減っていく」

18254。


不意に沙霧が意味不明の数字の羅列を口にする。

「俺に残された日数だ」

本当にそこまで生きられるのか知らねぇけどな、と彼が笑う。


死の恐怖が迫る中で笑えるということ。

そうできる人がどれだけ強い心の持ち主かと思うと、胸が詰まる。