「武森藍火(タケモリ アイカ)様ですね?」 「え…?」 ドアの外には、綺麗な着物に身を包んだ女の子がいた。 腰まである長くて黒い髪は物差しで測ったようにまっすぐで、黒地に赤い牡丹の花が散りばめられた着物ととてもよく合っている。 それにしても時代錯誤な風貌だ。 最近は日常的に着物を着る女性が増えたというけれど、こんな若い層まで浸透しているのか。 それ以前に、私この子のこと知らないんだけど…。 「お迎えにあがりました」