彼はきょとんと視線を留める。 好き? 彼女のことを? 「違うよ、よもぎ。そんなものじゃない」 確かに好きだ。 だけどそれは彼女が期待しているようなものではなく、人間として尊敬しているという意味で。 恋情なんて持ちえない。 「彼女は僕の光なんだ」 笑顔も泣き顔も、すべてが自分の中に色濃い光を残していった。 七色に歪もうとも褪せない光を。