やっと普通の笑みを取り戻したよもぎちゃんがこちらを振り返る。


「申し訳ございません藍火様、取り乱してしまいました」

「わ、私は、そんな風に呼んでほしくない」

他人行儀な呼び方なんていらない。

必要以上に置かれた距離も必要ない。


たった今会ったばかりの人たちだけど、

「ちょっとでも歩み寄ってほしいと思うのは、変?」

4人が一斉に顔を見合わせ、目配せをする。

再び交わった視線はとても清々しいものだった。


「いいえ、ちっとも変ではありません。では…藍火と呼ばせていただきますね」