ドアを叩く音も、叩いた自分のこぶしも冷めない熱を持っていて。 熱くて痛い。 触れればそこからはジンジンと鈍い拍動が感じられた。 「よもぎちゃんもいなきゃダメだよ」 みんなが揃っていなければ。 誰も欠けることなく笑っていなければ。 二次元の世界のように都合のいい幸せだけを、私は望んでいた。 「きっとあるよ、みんなが笑える世界が」 私の考えは甘いのだろう。 大人からすれば笑い飛ばしてやりたくなるぐらいの甘さなのだろう。 それでも、諦めたくなんてなかった。