「何言ってるの、友達に決まってるよ!」 何の他意もなく言い切った。 秘密を共有し、共に笑い合って時には泣いた。 その関係が今さら、他人や知人なんてよそよそしいもので語れるわけがない。 けれど、柊の表情は堅くて。 「…なら、藍火はその程度だったってことだ」 珍しく浅く被られたシルクハットは、下から覗きこめばその表情が窺える。 その時の彼の顔は――。