「気味悪がられて当たり前なんだ。 だけどそれでも藍火、君なら僕を怖がらないと信じてる」 ずしりと鉛を含んだような重たい言葉に、しかしためらうことはなかった。 だから強く言い切ることができた。 「だったら私は、柊が信じてくれる私を信じる」 ゆっくりとシルクハットがずらされる。 今まで見たことのなかった、柊の素顔は――。