柊が足を組み替える。 窓から吹き込んだ風がさっきよりも一段と冷たさを増したように感じられた。 「知らないとでも思ったかい?」 「どう、して?どうして、柊が知ってるの」 沙霧は私にしか話していないと言った。 覚えてる。 共有者だと言って歪んだ笑みを浮かべた、彼の泣きそうな顔。 「知ってるさ、全部」 どこから知ったの? どういう経由で? ぐるぐる視界が回りそうな中で、一本だけ確かな輝きを放つ糸があった。 ぶれることなく真っ直ぐに垂れさがるそれは、