夜をすり抜けて


「借金の保証人っていうのは、借りた人が返せない場合、自分がその借金を返済しなくちゃいけないんだ」


「えっ、じゃあ樹は?」


「うん、佐伯さんの代わりに、今俺が返してる。銀行からそう言われた」


「そ、そんなのひどいよ」


「大の大人がそれを承知で保証人の判を押したんだ。逃れられるもんじゃないよ」


「でも、佐伯さんは逃げちゃったんでしょ?
そうしたら樹がかぶることになるって知ってたんでしょ?」


思わずそう口走ってから、わざわざそんなこと言葉にしなけりゃよかった、と思った。



「まぁ街金とか、そういうヤバい借金じゃないし、月々真面目に返していけばいつか終わる。実際1年間そうやって返してきたわけだしな」