夜をすり抜けて


高速に戻り、樹はまたトラックを走らせる。


少ないながらも車の流れはあり、他の自動車のライトの明かりに何だかほっとする。


「何?」


じっと窺うわたしの視線を感じたのか、樹がちらっとこっちを見た。


「な、何でもない」


「眠かったらシート倒して寝ときな」


すぐに視線を戻しながら彼は言う。


眠くなんか全然なかった。


もうすぐ日付が変わる。




「俺も…

信じてた人に裏切られたことがある」




しばらく走ってから樹がぽつんと言った。


「え」


「大好きな先輩がいてさ」


「あの…写真の人? 佐伯さん…?」


「ああ、話したっけな」