夜をすり抜けて


「どうよ?」


捜し当てたセピア色のセルフレームの眼鏡をかけ、樹はその姿をミラーに映してご満悦だ。


「眼鏡持ってるって、目悪いの?」


「いや、これは元カノのダテ眼鏡」


………。


「元カノ…?」


思わず写真をチラッと見せると、樹はちょっと驚いて、それから笑ってうなずいた。


「元カノ、元カノ」


「美人じゃん。…面食いなんだね」


と言うと「向こうがな」って、彼は強気の発言をした。


「自信があるならそんな変装しないで素で撮ればいいのに。お母さん喜ぶかもよ」


「…俺遊んでるっぽいんだってば。心配すんだろ? お前の親」


あはは、それでそんなに工夫してくれてるんだ?