優しくされると嬉しくて、そのあと絶対淋しくなる。百倍くらい――
どういう原理?
CDは好きなアーティストのがたくさんあって、そのうちの一つをわたしは選んだ。
流れ出すメロディ…
女性ボーカリストの少しハスキーな声に癒されていく。
しばらく無言で音楽を聴き続けた。
何枚目かのCDを換えたとき、樹はパーキングにトラックを停めた。
「昼飯食お」
「え、でも、祐二さんがくれたおにぎりがまだ残ってるよ? わたしこれで十分だし、樹もそう言ってなかった?」
「ここのラーメンは美味いんだ。まかせろ」
彼はまたそんなことで胸を張る。
そうしてフードコートではなくて、併設のラーメン店に二人で入ったんだ。