「あのね、ありがと」


そっと樹に言ってみる。


「何が?」


「ここ。わざわざ寄り道して見せてくれたんだよね? 桜」


「ああ、きれいだから」


「ホントきれい…」


溜め息が出るくらい。


……


「一緒に見たいと思ったんだ」


え?


「真琴と見ようと思った」


「愛の…告白?」


キョトンとそう訊くと、ブワッハッハッて
はじけるように樹が笑った。


ほんのジョークじゃん、バカ。