夜をすり抜けて


「でないと生きてんのか死んでんのかも、わかんねー」


樹――…


「ま、今更どうだっていいんだけどさ」


うそぶくようにそう言うと、彼は無造作にまたカツ丼を食べ出した。


それを食べ終わってフードコートをあとにするまで、終始樹は言葉少なで…


トラックに戻る途中、黙って前を行く彼の背中を見ていたら、わたしの口が勝手に動いていた。



「い、言えないんだよ…っ」


樹が驚いて振り返る。


「『ごめん』なんて、そんな簡単な一言で済むことじゃないってわかるから、申し訳なさ過ぎて言えないんだよっ」


「真琴…?」


「自分がそんなこと言ったら、樹が頑張っちゃうって知ってるから…
だから連絡出来ないんだよ、佐伯さんは」