終わりは案外、呆気ない。 寂しいと思うのは、思い出だからこそ美しく見えるから。 まるで、砂の城のように。 風が吹けば崩れるし、小指で叩けば壊れてしまうの。 『……大丈夫。』 そう呟いた私の言葉は、消えていく。 砂の城が崩れるのは、あと少しのこと。