あえて、ここを選んだのは、爽くんの気遣い。 教室では言えない話を言うための、優しい気遣い。 そんな気遣いをされるなんて、言われるのは“あの事”に決まっている。 「…あの日は、急にあんなこと言って、ごめん。」 ―…告白。 あの日、爽くんが私に告げた言葉。 「佑介にふられて、気持ちがついていけないことだって、わかっていたのに。」 『……。』 「俺、美優が弱ってる時に、あえて取り入れた。」 『……。』