「あたし、やるの忘れちゃったんだよねー。 見せてくれる?」 お願いと手を合わせる梨花に、少しだけイラッと波立ったような気がした。 やるの忘れちゃったって…、いつもじゃん。 『あー、いいよ。』 こんなことで苛つくなんて、私は気が小さいのかもしれない。 だけど少なからず、私は遊びたいのを我慢してやったわけだし、本当はやりたくなかったし。 宿題は、自分でやるべきものだと思う。 ―…だけど。 梨花に、小さい女だなんて、思われたくないの。