好きなんだよ、先生が。 凄く、凄く。 だからこそ、先生のことが知りたいの。 聞いても…、いいよね? 『…っと…。』 “移動するの?” たった5文字の言葉を言うのは、あまりにも難しくて。 かすれるように、喉の奥からでかかった言葉。 一度詰まったものは、飛び出した時には勢いよく跳ねる。 『移動、するの?』 ねぇ、先生、私。 やっぱり、こんなこと聞かなければよかった。