衝動的だった。 先生と向き合った状態だった私は、先生の唇が目に入って。 本当に、形の良い唇。 綺麗なベビーピンクの薄いそれは、乾くことなく潤っている。 ―…触れたい。 先生ともっと近くまで、触れてみたい。 もうこのままじゃ、足りないの…。 「……っ」 先生は、本当に驚いているみたいだった。 黒縁メガネ越しの目が、今までに見たことないぐらい、見開いていて。 のけぞるように、飛びかかってきた私を受け止めた先生の身体。 先生は、唇でさえも許してくれない。