本当に、好きだった。 私を愛しそうに見て、目を細める姿とか。 照れたように、私の頭をクシャリと乱す仕草とか。 嫌になるぐらい、隅から隅まで大好きで。 嫌なとこもたくさん知ってるのに、それさえ綺麗な思い出で濁せてしまうほど、大好きだったの。 『佑くん…。』 ポタリ、と。 ひとつ、またひとつと零れ落ちてくるのは、涙みたいな雨粒。 繊細に空から流れ出してくるそれは、なんだか私の気持ちを表してるみたいだった。