斜め後ろにいた先生は、ちょうど今、私の横を通るとこ。 その一瞬が、スローモーションみたいで。 その一瞬を、私の神経が途切れることなく捉えていく。 教科書を開いて先生に興味がないフリをしながらも、私の視界の端にはちゃんと先生が映っているから。 先生が真横になるのを、今か今かと待ち構えていた。 『……。』 ―…先生が真横を通り過ぎて。 私の腕は一瞬止まったけど、すぐに持ち直して教科書を開いていく。 先生の方を、見ないようにするのに必死な私。