思わず、手のひらを強く握り、意気込んでた。 私は悪くないと、 私がどうしてこんなめに合わなきゃいけないのかと、先生に伝えたくて。 ……だけど。 “梨花がわからない” ―…もう一度、その言葉を言おうとした時。 先生は、続きを言わせてくれなかったんだ。 「――それでも、お前が言ったように、恋には誰が悪いとかないんだよ。」 胸の出っ張りを、つつかれたような気分だった。