佑くんの前でしか見せなかった、本当の笑顔。 佑くんの前でしか見せなかった、私の弱い所。 それを先生の前で漏らしているなんて、今日の私はどうしちゃったんだろう。 『う、うぇ…っ、ん』 佑くんがいなくなって、限界が来たからかな? 梨花が、離れていってしまったからかな? 明日から、独りぼっちになるから? 「……。」 パツン、と。 一瞬だけやんだ、雨の音と風の音。 ただならぬ空気を感じた私は、引きつけられるように顔をあげる。