顔には出さないけれど、頭の中は有り得ない速さで回転する。 いつから、そこに立っていた? いつから、私たちの様子を見ていたの? ・・・ あの話、聞こえてないよね? 「美優…。」 真っ直ぐと見てきた梨花の目を、怪しまれないようにジッと見つめる。 その分、不安を表したのは小さな手のひら。 背中ごしで、震える手を震えないように、ギュッと握りしめた。