だからこそ、キミは。




爽くんは、なにも知らないのだろうか。



佑くんの親友だもん。

私がフラレたこととか、佑くんから聞いているはずでしょ?



「そんなことないって。風邪ひいたら、俺が心配だもん。」



…多分、きっと。


この人は私のことで佑くんから相談を受けていて。



それなのに何も知らないフリをしていた爽くんは、なんだか偽りのように思えてくる。



この爽やかな笑顔も、笑うと見える白い歯も、全部、全部。


嘘なんじゃないかって、思えてくるの。