自宅の最寄駅のホームで電車が来るのを待っていると、
不意に通りすがる風の薫りを感じた。
まだ少し冬の薫りがあるが、どこか暖かい春の薫りも交じっていた。
この微妙な時期に感じる風を、私は大好きだった。
そんなことをぼんやりと感じていると、
電車が、私のいるホームに入ってきた。
誰も降りてこないドアから電車に乗り込む。
車内は閑散としていた。
昼間だからだろうか。
乗っているのは、お年寄りか、春休み中の大学生くらい。
誰も座っていない長椅子の真ん中に座った。
電車の発車ベルが鳴り響いて、ドアがゆっくりと閉まっていく。
そして、ゆっくりと発車していく電車。
心地よい揺れを感じながら、私は電車の窓から外の景色を見ていた。
流れていく景色は、冬から春へと変化していく姿がよくわかる。
ただの枯れ木のように見えた桜の木の枝先には、ふっくらと膨らむ蕾が見える。
線路の近くを歩く人々の服装も、暗い色から明るい色へと変わりつつある。
春が近い。
そう思えるだけで、少し幸せな気分になれた。
不意に通りすがる風の薫りを感じた。
まだ少し冬の薫りがあるが、どこか暖かい春の薫りも交じっていた。
この微妙な時期に感じる風を、私は大好きだった。
そんなことをぼんやりと感じていると、
電車が、私のいるホームに入ってきた。
誰も降りてこないドアから電車に乗り込む。
車内は閑散としていた。
昼間だからだろうか。
乗っているのは、お年寄りか、春休み中の大学生くらい。
誰も座っていない長椅子の真ん中に座った。
電車の発車ベルが鳴り響いて、ドアがゆっくりと閉まっていく。
そして、ゆっくりと発車していく電車。
心地よい揺れを感じながら、私は電車の窓から外の景色を見ていた。
流れていく景色は、冬から春へと変化していく姿がよくわかる。
ただの枯れ木のように見えた桜の木の枝先には、ふっくらと膨らむ蕾が見える。
線路の近くを歩く人々の服装も、暗い色から明るい色へと変わりつつある。
春が近い。
そう思えるだけで、少し幸せな気分になれた。