そんな沖田の願いが届いたのだろうか、敵はたったの1人だけだった。 「し、新選組っ」 沖田の登場に驚いた敵は、声を裏返してそう叫んだ。 「あんたも運が悪いねぇ」 小さく呟きながら、刀を構え、戦闘態勢に入る。 一発で片付けられると思った。 なんせ新選組で、一、二を争う剣術の持ち主。 簡単に、斬り伏せられると思った。 だが、予想外にも刀のぶつかり合う音が何度も何度も響いた。 「おいおいどうした?新選組一番組組長、沖田総司さん?」 「くっ」