沖田はそこの店主にこう言った。 「この子に似合う着物を見立てて下さい」 すると、「はいよっ」という威勢の良い声の後、奥からきれいな女の人が出てきた。 この店の看板娘とでも言おうか。 「あら、沖田さんやないの。この子に着物を?」 娘は「承知しました」と美しい笑顔を見せ、幾つもある着物から1枚、2枚と選び出した。 「さぁ、行きましょか?」 睦月を奥へと連れて行った。