**** 「ねぇねぇ、新選組ってなぁに?」 「え?」 何気ない蒼井家の夕食。 お父さんはよくある出張なため、お母さんと睦月と、お姉ちゃんの美咲で食卓を囲んでいた。 「新選組だよ」 聞き返す美咲に、睦月は同じ言葉を繰り返した。 「新選組なら、ほら、江戸時代の人たちでしょ?」 お母さんが冷蔵庫から、出し忘れていたドレッシングを取りながらそう言う。 「江戸時代?」 「うん。京都の街を守っていた人」 「やっぱり京都なんだ!」 「そりゃ、新選組の屯所は京都にあったしね」