この間まで咲いていた桜はもう散った。 沖田は庭の裸になった桜の木を見つめて、切ない顔をしてみせた。 気づけば冬が過ぎ、春となるも、桜が散る季節。 沖田の元に、手紙はまだ届かなかった。 やはり、夢だったのかとさえ思ってしまう。 そもそも最初からあり得る話じゃなかったのだ。 突然届かなくなっても不思議じゃない。 「はぁ」 沖田はため息をつき、今まで睦月からきた手紙を読み返してみた。 そういえば最後に来た手紙には「返事がこれからちょっと遅くなる」と書いてあった。