「そ・・・っか」 一瞬、翼の返事がぎこちなく感じた。 気のせいだろうかと翼を見ると、突然立ち上がった。 「俺、ちょっとトイレ行ってくる。早く他の友達作れよ」 慌てているようにも見えた。 睦月は首を傾げながら、再び海へ視線を戻す。 海を見るたび沖田のことを考える。 ここから海が見えるということは、それだけ沖田のことを考える時間が増えるということだ。 睦月はそう考えてしまった。 「あたし、重症だー・・・」 小さくつぶやき、それでも海から目を離さなかった。