「城井っ!ありがとっ!俺、城井のおかげで点数よかったよー!!」 城井に、自分のテストを見せる。 「……よかったじゃん」 城井は、そんな私に笑みを零し、私の頭の上でポンポンっと手を弾ませた。 「柚希……」 後ろから、そんな声が聞こえた。 その声は、それはそれは低ーい、不機嫌そうな声で。 見なくても、その声が、誰のものなのか分かった。