月夜に舞う桜華




いつの間にかあたしは皇蘭って暴走族の総長なんかになっていた。


あたしは、暴走族だったけど、家族が出来たみたいで嬉しかった。
喧嘩ばかりの他の人間から見ると、はみ出しもので白い目で見られるけど、あたしはそれでよかった。


皇蘭の皆と馬鹿みたいに騒いで喧嘩して、あたしはあたしの居場所が大好きだった。


「でもね、そう思っていたのはあたしだけだったのかもしれない」


特に和。和はあたしとは同じ道を歩いてはいなかった。
和は、一緒なのだと当たり前のように思っていた。



1つ、息を吐いてあたしは言葉を切った。朔夜の様子を窺えば、ただじっとあたしの話を聞いてくれている。


あたしは、また1つ息を吐いてから、腰前まで被ってる毛布を捲った。