莱がこの施設に来てからもう2年。
相変わらず莱は笑ってくれないけれど、この2年間、あたしはずっと莱の隣に居続けた。

おかげでいつの間にか、お互いのことは名前で呼び捨てになっていたし、莱もあたしだけには、ちゃんと話をしてくれるようになっていた。

そんな中、あたしもようやく小学校へと入学。やっと、莱と一緒に学校へ行ける日がやってきた。

元々人見知りなんてしないうえ、どちらかと言えば外向的なあたしは、入学してすぐ友達ができ、それはそれは楽しい日々を送っていたのだけれど。

ある日偶然目撃してしまったいじめ現場。
見て見ぬフリもできずそのいじめの仲裁に入ったときに、余計に怒らせてしまったのだろう、いじめっ子とあたしとの揉み合いの喧嘩に発展させてしまった。

でも、発展させてしまっただけならまだよかったのに。故意では無かったにしろ、あたしは相手の男子に怪我をさせてしまった。