顔合わせで、全てのキャストが集まる。



「律萪、大丈夫?顔、引きつってるわよ。笑顔を忘れないで。」


皆川さんに促されて、私は引きつり笑いを浮かべる。
…ダメだ!
緊張しすぎて、どうしても上手く笑えない。




「りーつかちゃん♪久々だね。」


ガチガチの私に、急に後ろから抱き締めてくる人物に、私は余計に体をかたくさせる。


「…律萪ちゃん、緊張してんの?かーわいー♪」



「…蒼!何よ、悪い!?」

蒼に向かって小声で開き直る。




「ほら、リラックス!肩もんであげようか?」

ニヤリと笑いながら私の顔を覗き込む蒼に、思いっきり睨み付ける。




「…その顔。自信持って。いつもの律萪ちゃんらしく、だよ。」


そう言うと、蒼は優しく微笑んで自分の席に座りにいった。