すると、斉藤は急に真剣な顔つきになって、 「おまえ、好きなやついんだろ?」 と聞いてきた。 その言葉に、ピクッと私の体は反応してしまう。 今さっき気がついたこの気持ち。 「やっぱな。 おまえ、だから泣いたんだろ?」 図星に図星が重なって、何も言えなくなる。 「そういうのってさ……、伝えた方がいいぞ?」 斉藤はニコッと笑った。 「え……」 「相手はどんなやつか分かんないけど、伝えた方がスッキリするぞ?」