―――世界が、変わった気がした。

それは別に、昨日大谷くんと付き合い始めたから、とかではなくて。何というか、今まで溜まっていた鬱憤が爆発したというか。

とにかく、その対象が私だったらしい。
思い当たる節が、無い訳ではない。むしろ、たとえ理不尽でもそう思わないと、昨日まで上手くやって来たはずの彼女達と、私が衝突する理由が無いのだ。


「アンタ、中等部の頃からムカついてたのよ。」

「いつもいつも片倉の腰ぎんちゃくで、自分1人じゃ何にもできないクセに。」

「茜だっているのに、アンタみたいなのがバスケ部でヘラヘラしてんのなんか、許せない。」


つい数分前、昨日に引き続き選抜メンバーでの練習がある私は、中等部の体育館へと向かっていた。

その途中、別にいつも通りの畑島さんに呼ばれて、何事かと中等部の倉庫に連れられて来てみれば、待っていたのはこの状況。

中等部の頃……否、初等部の頃からだったかもしれないけれど。間違いなく私を嫌っていた面々が今、私を待ち構えていた。