雫に何もないのなら、わざわざ今日のあたしと椎名の会話のことを聞かせる必要もないだろう。

できるだけ、雫を不安にはさせたくない。
これ以上、困惑させたくない。


『……じゃあ旭ちゃん、私部活始まるから、切るね。』

「…うん。変な時間に電話して、ごめん。」

『ううん、大丈夫!それじゃあね。』


ぷつり、と通話を終えた携帯を、パタンと閉じる。まぁとりあえず、雫が元気で良かった。

安心したせいか、どっと押し寄せてきた眠気に目を閉じる。だけど刹那、握りしめた携帯が震えた。

ディスプレイの表示は、メール受信中。
そしてそのメールの差出人は、結城。

睡眠を妨げられたことに心中で悪態を吐きつつメールを開けば、内容は一行、今日はサボり?という問いの文だけで。

……普通は、サボりかどうか聞くんじゃなくて、休みかどうかを聞くんじゃないの?

そんなことを思いながらも、あまりにも図星を突かれた結城からのメールに何だかムカついて、あたしも短く、休む。とだけ送り返す。

そして携帯の電源を落として、改めて目を閉じた。





【CHAPTER:03/side*ASAHI/END】