やっぱり変わってしまった雫を前にして、あたしがもともと言おうと思っていたことが全部吹っ飛び、あたしは、あたし自身が驚くような言葉を雫に言い放っていた。

ああ言えば、雫がどう思うかなんて、わかっていたのに。
どれだけ傷つけてしまうか、わかっていたのに。


「私、あーちゃんがいないとヤダよ。
だってあーちゃん、ずっと、私の傍に居てくれるって、そう言ったもん。」

「……そう、だけど。あたしも雫も、変わった。お互い離れて、違う生活して。お互いの知り得ないところで、もう、今まで通りにはいかない。」

「そんなこと、ない……!」


次第に混んできた、カフェ内の喧騒も、あまり耳には届かない。
そんな中、ずっとあたしを見つめ続ける雫の瞳から、透明な筋が頬を伝った。