「もっと早く見つけてあげることができなくて、本当にごめんなさい。」
謝るのは大谷くん、君じゃないでしょう。
私が勝手に原因を作って、事態を大きくして、なるべくしてこうなったんだよ。
「…謝らないで？大谷くんは、何も悪くないじゃない。」
「でも…っ！」
…――あああ。
どうして君は、こんなにも優しいのだろう。
一度は気持ちを利用して、酷い言葉で傷つけた。それだけじゃなく、今現在私に向けてくれている優しさだって、私は裏切ってしまっているというのに。
こんな私に、どうして……
これほどまでに真摯な彼を、私のエゴで傷つけた自分自身が、どうしようもなく恥ずかしくて、許せなかった。
