「あ!変なこと言ってごめんねっ 気にしないで!」 『……。』 “気にしないで”って言ってるくせに、なんで泣きそうな顔してるんだよ…。 今にも壊れそうなその笑顔に、なんて返したらいいのか、わからなくなる。 ことりの乾いた笑いだけが、妙に響いていた。 『……あ。』 あるものに気づいた俺は、小さく声をあげる。 …俺の、家だ。 長いようで短かった、ことりとの帰り道。 もう家に着いていたらしい。