警官はそれを察して壁際に充を促す。 そして小さな声で仕切り直した。 「実は、池田さんに色々ありまして、みなさんにお話をうかがっているんですが」 「色々?」 「ええ。それで、あなたは彼女の携帯を見ると頻繁に連絡をとっているようでしたのでお話を……」 「ちょっと待ってください。色々って、何なんですか?」 隠したがっているのがわかり、ざわつく心が苛立った。 警官はチラッと課長に目配せをした。 課長がこくりと頷く。 「意識不明の重体で、現在病院にいます」