How to win the Game



美味しい。


いつ食べても、ここのクラブハウスサンドは美味しい。


簡単に作れるけど、


一つ一つの材料にこだわっているのがわかる。


ツナにしても、トマトにしても、レタスにしても。


だから、一度来れば、皆再びここに来ようとするのだろう。


「先生」


さっきから黙って食べている先生に、私は話しかけた。


「ホットドッグ、美味しいですか?」


先生は口の中をもぐもぐさせて飲み込んだ後、


先生はコーヒーを飲んだ。


そして。


「キミはここのホットドッグを食べたことがないのか」


「はい」


「ならば今度来た時に食べてその味を確かめるべきだ」


「え、美味しいかどうかって今教えてくださいよ」


先生はコーヒーカップをくい、と斜めにした。


先生の喉が動くのが見える。


「味に絶対はない。


他人が美味しいと言ったものが、必ずしも自分にとっておいしいとは限らない」


確かに、反論はできない。


味には好みがあるから、


必ずしも先生が美味しいと言ったものが私にとって美味しいとは限らないけど。


でも、ホットドッグってそんなに違いが出るかな?


・・・と反論しようかと思ったけど、


先生がまた黙って食べ始めているところを見ると、


多分、先生にとっては美味しいのだろう。


美味しいかどうかなんて、普通は教えてくれるのに、


こうやって先生の態度から推測するしかないなんて。


面倒くさい。


でも。