エンプティープリンス

「え…?」

「…あなたのことが好き…です。
ずっと…この1年間ずっと…考えてた…あなたにどう返事をしたらいいのか…。」


声を震わせてそう言う彼女。


「…今の…嘘じゃないよね。」

「…あなたに嘘なんてつかないわ。」

「…そう…だよね…ちょ…ちょっと待って…。」

「え?」


俺は彼女を腕から解放する。
正直言って今…全身に力が入らない。



「…嬉しすぎて…ってか現実味がなくて…。」

「え?」

「…でもやっと…好きなだけ…。」

「?」





俺は彼女の腕を引いた。
バランスを崩した彼女をそのまま抱き寄せ、ぐっと顔を近付けた。



「触れるよ。」


そう言って、俺はそのままそっと彼女の唇にキスをした。