エンプティープリンス

俺はバカなことを喋っていた男の一人の胸倉を掴んだ。
場所は廊下。


「奏っ!!お前…何やって…。」


確かに俺のクラスは理系の男子クラスだが、廊下には他のクラスからの女子もうざいくらいにわんさかいる。
いつもの『高橋奏』なら決してこんなことはしない。
なのに…掴んだ胸倉を離そうなんて微塵も思わない自分がいた。


「おい、奏!!
お前…いいのかよ、こんなことして…!!」


そう言いながら俺の肩を引く巧。
巧の言おうとしていることは分かってる。
でも苛立ちが勝る。



「何にも分かってないくせに…
普通の女とは違うんだよ!!」

「…るせぇな!!」



左頬に鈍い痛みが残る。
周りにいた女たちが悲鳴をあげた。



「意味分かんねぇし。行こうぜ。」

「なっ…何してるのっ?」