「おっ…おはようございます、奏様っ!!」

「おはよう。」

「きゃーっ!!言えたよ!!奏様に挨拶できちゃった!!」

「あー…私も言えば良かったぁ…。」

「奏様っ!!」

「奏様っ!!」



飽きた。その『ソウサマ』っていうフレーズ。
でもそれは表には出さない。



「ほんっとイケメンだよねー…。」

「かっこいい…理想の王子様だよ…。」

「顔イケメン、性格も良くて、勉強できるし…
奏様にできないものなんて何もないもんねー!!」

「ホントホント!!王子様だよね!!完璧な王子様♪」



完璧な王子様…ねぇ…。
なーんも分かってねぇな。
ま、分かってもらいたいとも思わないけど。

深入りするのは損。
イメージ崩すのは損。

当たり障りのない位置で女の子の夢を守ってた方がお互い有益だ。