エンプティープリンス

「あー…はい…。」

「出来たてだからちょっと熱いかもしれないけど…
冷めないうちにどうぞ。」

「あ、ありがとうございます…。」



俺は目の前で湯気が出まくっているうどんを小さなお椀に移し、少し冷ましてから食べた。



「美味い…。」

「あ、良かった…。久しぶりに人に食べてもらうから心配だったんだけど…。」

「美味いです。」


本当に美味い。
つーか人の作った料理って、上手く言えないけど美味い。


「ところで…高橋くんは…。」

「はい?」

「普段からそういう口調なの?
さっきは少し…崩れていたように思ったんだけど…。」

「え…。」



分かってたんだ…。
俺がタメ口になったってこと…。